漏水箇所

「先日の台風で、大変な漏水(水漏れ)があったから、見て欲しい」漏水箇所

との依頼を受け、現地調査に行ってきました。

何カ所か漏水が想定される箇所はあったのですが、
このうちの一つを撮影したものがこれです。

ヒントは、
上の窓周りでは漏水し、下の窓周りでは漏水していません。

答えは、
それぞれの窓上部に突き刺さっているホースのようなもの
(屋上に設置したエアコン室外機をつなぐ冷媒配管)
の取り付け方、もっと言うと、外壁貫通の仕方です。

正直、どちらも外壁をいきなり貫通していて宜しくないのですが、
致命傷は、その入る方向です。

上階のものは、上から下に向かって貫通、
下階のものは、一度下がって、下から上に貫通しています。
雨の時、このホースを伝わって水が流れてくると・・・
上のパターンはそのまま壁に水があたり、壁の中へ〜
下のパターンは、ホースのたるんだ下端で水が切れ、壁穴にはあたっていません。

その証拠に、
上階の貫通部には黒い水シミがあり、下階にはこのシミがない。つまり水が壁に当たっていない証拠です。

ここの漏水は、ここが原因でまず間違いありません。

ほんのちょっとした配慮が、
建物の性能に大きな影響を与えてしまいます。

外壁の止水対策はシールを打てばいいと思いがちですが、
その先の一手まで、配慮しておきたいものです。

 

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