10年に一度と言われた台風26号が来たのは先週。
とても大きな被害をもたらしました。
東京の交通機関は大混乱、
私の知り合いの建物は水が漏れ、
自宅も強い風にとても揺れておりました。
そして間髪入れず、さらに強烈な台風27号が近づいてきています。
「お願いだから、直撃しないで~弱まってよ~」
と思う横で、嫁が慌ただしくも、静かに嬉々としています。
なぜか?
嫁は九州鹿児島育ち。
まさに台風銀座で育ちました。
「台風」と聞くと、「大変&一大事!!!」
きっと小さい頃は、雨戸閉めや、植木の片づけ等々、
いろいろ手伝わされつつも、なんとなく楽しかったのでしょう。
その思い出がよみがえるようです。
文化&環境の違いですね。
そんな事を思っていると・・・桜島の火山灰体験を思い出しました。
この写真は、私が鹿児島に行った際、
噴火の瞬間をとらえた写真。
結構大きな噴火で、火山灰が降ってきました。
私は初めての経験だったので、
「わーすごい!灰ってさらさらなんだ~」
と嬉々としたところ、
親戚一同から、「わかっていない!!!」と
一喝されてしまいます。
ある人にとっては珍しく、ドキドキすることでも、
ある人にとっては迷惑以外の何物でもないこと。
鹿児島では、灰のために様々な対策をとっています。
雨どいを大きくしたり、灰用のごみ捨て場があったり。
それを「克灰住宅」といいます。
一方
北国では雪のために様々な対策をとっています。
たとえば、積もった雪が一気に落ちないように工夫した屋根・住宅、
それを「無落雪住宅」といいます。
地球温暖化で、地域の気候が大きくずれて(シフトして)きています。
私たち建築家は、
それぞれの地域で培った文化と知恵を、
時代の変動とともに伝え、分かち合えるよう、
力を尽くして行ければと思います。
もうすぐ台風27号。
私が面倒を見させて頂いている、
古い建物たちの台風対策が、
明日から始まります。
向後