危険な現場ー5

今日もとてもいい天気です。

師走という感じで、12月頑張って走り続けようと思います。

よしっ!!!

と思って歩いていると、危険な現場〜配筋
「危険な現場」にやってきました。
現場は土曜日ですが、お休みのようです。

この現場は探さなくても、
いろんな注意点が見つかってしまいます。

一つ一つ、見て行きましょう。
(写真をクリックすると、拡大されます)

 

まずは、
鉄骨柱の足元にある、コーヒーコップ

白いカップがボルトと並んで置かれています。
とても馴染んでいますが、
関心しない風景です・・・

そして・・・
以前の回でお話した、周りの土を押さえるベニヤ板を支えていたパイプ。
予想通り、コンクリートと一体化しています。
写真中央、手前の、
ニョキッとたっているの、わかります???

おそらく中に水がたまっているでしょうし、
基礎の鉄筋とあまりにも近く、
とっても不安。後々悪さを働くことでしょう・・・

さらに・・・
手前の砂利が、打設済みのコンクリートの上になだれ込み、
鉄筋の間に入ってしまっています。
これで、次のコンクリート、
きれいにくっつくでしょうか。
少なくとも、今のコンクリートの上端がこんなに汚いので、
次に打たれるコンクリートと一体化、くっつく力はほとんど無くなってしまう・・・

出来上がると多分、わからなくなりますが、
こうした所の継ぎ目(打ち継ぎ部)から、
後々、水が侵入して行きます。

さらにさらに・・・

床の配筋(鉄筋が並べられている状態)が始まっていますが・・・

まず砂利敷きのままで、その上に直接鉄筋。
こういう方法もありますが、あまりお薦めしません。

なぜか???
何がよろしくないのか???

ここにコンクリートを打設(流し込み)することになります。

想像してみて下さい。

コンクリートは、モルタル+砂利+水 で出来ているもの。
その調合比率はとても厳格に管理されています。
それが、下が砂利のままだと、
水分が下の砂利に急速に吸い込まれてしまい、
この調合バランスが、凝結するまでの間に
狂ってしまうのです。

劣悪なコンクリートの完成です。

そしてもうひとつ・・・
鉄筋が、下の砂利に接している部分があるのがわかりますか?

これは、
コンクリートを打設しても、
鉄筋はコンクリートに包まれず、
下で露出しているということ。

鉄筋は、こうしたコンクリートの場合、
下側の力を受け持ちます。

下側の鉄筋が大事なのに・・・

きっと、
ほどなく、この床のコンクリートは割れてくることになるでしょう。

これを改善することは決して難しい事ではなく、
とても簡単。
設計図にはきちんと記載されています。

ではなぜか?
現場が楽な方法を選んでしまうのです。
勝手に省略してしまうのです。

これを防ぐのが、「現場監理」という職能。
「管理」ではなく、「監理」
「監督」でもなく、「監理」
「設計」でもなく、「監理」

う〜ん・・・

まだまだこの写真1枚だけでも、
お伝えしておきたい事が沢山あるのですが・・・

 

向後